動画ESの台本の作り方|自己PR動画1分・30秒の例文付き

動画ESや自己PR動画は、撮り始める前の「台本づくり」で出来がほぼ決まります。台本がないまま撮ると、話が長くなったり、言いたいことが抜けたりして、撮り直しが増えてしまいます。この記事では、時間内に収まり、聞いて伝わる台本の作り方を、1分・30秒の例文付きで解説します。

台本は作ったほうがいい?

結論から言うと、台本は作ったほうがよいです。理由は3つあります。

  • 時間に収められる:動画ESは「1分以内」のように時間が決まっていることが多く、話す内容を事前に決めておかないと、ほぼ確実に長くなります。
  • 要点がぶれない:その場で考えながら話すと、結論が最後まで出てこなかったり、エピソードが脇道にそれたりします。
  • 撮り直しが減る:言い間違いや言葉に詰まる回数が減り、少ないテイクで納得できる動画が撮れます。

ただし、台本を一字一句そのまま読み上げると、棒読みに聞こえがちです。台本は「話す内容を決めるためのもの」と考え、本番は要点を見ながら自分の言葉で話すのが理想です(使い方は後半で紹介します)。

台本を作る5つのステップ

  1. 指定を確認する:時間(30秒・1分など)、テーマ(自己PR・学生時代に力を入れたこと・志望動機など)、「名前を名乗る」などの条件を募集要項で確認します。
  2. 字数を決める:話す速さの目安は1分あたり約300字です。本番は緊張で時間がかかりやすいので、1分なら270〜290字、30秒なら130〜140字くらいにしておくと安心です。
  3. 骨組みを作る:「結論 → エピソード → 結果 → 入社後にどう活かすか」の順に、それぞれ一言でメモします。
  4. 話し言葉で書く:骨組みに沿って文章にします。書き言葉のESを流用する場合は、後で紹介するコツで話し言葉に直します。
  5. 声に出して時間を計る:実際に読んでみて、時間をオーバーする部分や言いにくい部分を直します。

時間ごとの字数の目安は、1分の自己PRは何文字?で詳しく解説しています。

1分の自己PRの台本例(約280字)

強みを「粘り強さ」とした場合の例です。1分に少し余裕を持たせた278字(読み上げ約56秒)にしています。

〇〇大学経済学部の山田です。私の強みは、結果が出るまで工夫を続ける粘り強さです。

大学では、テニスサークルの新入生集めを担当しました。前の年は入会者が5人しかおらず、活動を続けられるか心配な状況でした。

そこで、ほかのサークルに入った1年生に話を聞くと、「雰囲気が分からなかった」という声が多くありました。私は練習の様子を短い動画にして、SNSで毎週発信することにしました。

最初の1か月は反応がほとんどありませんでしたが、投稿の時間や内容を見直し続けた結果、その年は20人が入会してくれました。

この粘り強さを活かして、貴社でも成果につながるまで工夫を重ねます。

この例は、次のような配分になっています。

パート内容目安
名乗り・結論大学名・名前と、強みを一言で約10秒
状況・課題何に取り組み、何が問題だったか約10秒
行動課題の原因をどう考え、何をしたか約15秒
結果数字を入れて、どう変わったか約10秒
活かし方入社後にどう活かすか約10秒

いちばん時間をかけるのは「行動」です。自分で考えて動いた部分が、強みのいちばんの裏付けになります。

30秒の自己PRの台本例(約140字)

30秒の場合は、エピソードを1つに絞り、行動と結果を一文ずつで伝えます。137字(読み上げ約27秒)の例です。

〇〇大学経済学部の山田です。私の強みは、相手の立場に立って課題を見つける力です。カフェのアルバイトでは、新人スタッフがすぐに辞めてしまうことが課題でした。そこで、先輩と組んで働く仕組みを店長に提案し、半年で辞める人をゼロにしました。入社後も、周りの声に耳を傾けて行動します。

30秒は思った以上に短い時間です。エピソードの背景説明を削り、「課題 → 自分の行動 → 結果」だけを残すのがコツです。

文章のESを「話し言葉」に直すコツ

提出済みのESの文章をそのまま台本にすると、耳で聞いたときに分かりにくくなります。たとえば、次の一文を比べてみましょう。

文
書き言葉私は大学時代、所属していたテニスサークルにおいて新入生勧誘の責任者を務め、前年度比4倍となる20名の入会者を獲得することに成功しました。
話し言葉大学では、テニスサークルの新入生集めを担当しました。その結果、入会者を前の年の4倍、20人に増やすことができました。

話し言葉に直すときのポイントは次のとおりです。

  • 一文を短くする:一文に言いたいことは1つまで。目安は40字程度です。
  • 漢語を言い換える:「勧誘」→「新入生集め」、「獲得」→「増やす」のように、耳で聞いてすぐ分かる言葉にします。
  • 「〜において」「〜であり」を使わない:書き言葉特有のつなぎは、話すと硬く聞こえます。
  • 数字は言いやすく:「前年度比4倍」より「前の年の4倍」のほうが聞き取りやすくなります。

台本を見ながら自然に話すには

台本ができたら、何度か声に出して読み、流れを体に入れておきます。そのうえで、本番は次のどちらかの方法がおすすめです。

  • キーワードだけを見て話す:台本を「粘り強さ」「新入生5人」「動画をSNSで毎週」「20人」のようなキーワードに縮め、それを見ながら自分の言葉で話します。最も自然に聞こえる方法です。
  • カメラのすぐ下に台本を流す:全文を見ながら話したい場合は、目線がずれにくいように、台本をカメラのすぐ近くに表示します。パソコンならカンペ録画で、画面上部(カメラのすぐ下)に台本を流しながら録画できます。

手元の紙やスマートフォンを見ながら話すと、目線が下がって「読んでいる」ことが伝わりやすくなります。カンペの置き方や、読んでいるように見せないコツは、動画ESでカンペは使っていい?で詳しく紹介しています。

台本ができたら

  • 文字数カウントに台本を貼り付けると、空白・改行を除いた字数と読み上げ時間の目安が分かります。「この原稿でカンペ録画」を押すと、そのまま台本を見ながら録画できます。
  • 撮影のときのカメラの位置や明るさは、自己PR動画の撮り方を参考にしてください。
  • 撮った動画が提出先の容量を超えたら、動画圧縮で小さくできます。

例文はあくまで構成の参考です。そのまま使うのではなく、あなた自身の経験と言葉で書きましょう。時間やテーマの指定は企業によって異なるので、募集要項を必ず確認してください。